現在仕事をしている会社のビジネスとの対比のためにお酒メーカーの業界のことを調べることになり、「ビール15年戦争―すべてはドライから始まった」(永井 隆著)とあわせて読みました。 明治時代のビール会社の勃興、合併、分割からスタートし、約100年のスパンの歴史を紹介してくれます。その歴史の中で培われた業界各社の”風土”や”文化”が今に生きているのだなあ、という発見がありました。また、90年代の瀬戸社長の言葉「ヒーローはいらない。皆が主役だ。」が端的に言い表しているように、様々な人物が80年代後半以降のアサヒの躍進をささえたのだということもよくわかりました。社長の交代や、スーパードライのヒットといった面が強調されるのは当然だとおもいますが、その伏線となった様々な出来事、不遇の時代でも次の世代での復活を信じてコツコツと積み重ねられていた努力も学ばなければいけませんね。「消費者の求める味」を知ることが復活の足がか�!��!!になるわけですが、後で考えれば当たり前のように思えることが、危機的状況に置かれた当事者には見えなくなってしまうという点は誰もが注意しなければいけません。 自分の仕事で壁にぶちあたったときに元気をくれる本のひとつだと思います。
アサヒビールの大逆転劇については、多くの書物があるが、私の読んだ中ではこれが一番面白かった。事実に対する綿密な調査と、実在する人物の内面に迫る描写と、バランス良く収まっているからと思う。正確ではあっても事実だけ並べられると堅苦しいし、かといって筆者の感情が入りすぎてしまうと創作・小説の類になってしまう。小説で描くには、アサヒの大逆転はもったいない素材だ。それにしてもアサヒビールは、これだけの大逆転をすることによって、多くのサラリーマンにより良く生きる糧を与えたと思う。そのようなことを素直に感じさせてくれる著者の筆力にも感心する。著者にはキリンビール側からの第二弾を、ぜひ書いていただきたい。